ISEGORIA / 数学百科事典
線形代数:変換の幾何
座標・面積・固有ベクトル・射影・特異値を実験します。
前提知識: ベクトルと初等代数
予想してから操作し、計算例と問いで理解を確かめてください。グラフは数式の図示であり、証明ではありません。
1. 基底と座標
円形のハンドルをドラッグするか、スライダーで基底を変えてください。強調したベクトル (1,1) は動きませんが、新しい基底での座標は変わります。行列の列は標準基底の像です。
計算例. B=diag(2,1) なら (1,1) の座標は (1/2,1) です。
注意点. 列が一次従属なら基底ではなく、逆行列は存在しません。
2つの列が一致するとどうなりますか?
平面が直線に潰れます。解が存在しても座標は一意に定まりません。
2. 行列式と階数
単位正方形は平行四辺形になります。面積は行列式の絶対値で、符号は向きを表します。倍率を0にして階数の低下を観察します。
計算例. diag(-2,1) は面積を2倍にし、向きを反転します。
注意点. 行列式が1でも、長さや角度を保つとは限りません。
せん断は面積を変えずに形を変えられますか?
はい。行が (1,s)、(0,1) の行列は、どの s でも行列式が1です。
3. 固有ベクトルと反復
固有基底を回転させ、2つの固有値を変えます。反復で各固有ベクトル成分が別々に伸縮します。破線は不変な方向です。
計算例. 固有値が1.2と0.5なら、一方の成分は増大し、他方は減衰します。
注意点. この実験は実対称行列に限定しています。実数の回転行列に実固有ベクトルがあるとは限りません。
両方の固有値の絶対値が1未満なら、軌道はどこへ向かいますか?
両方の固有値の累乗が0に近づくため、原点へ向かいます。
4. 射影としての最小二乗法
原点を通る直線を回転させます。v=(2,1) に最も近い直線上の点は直交射影です。残差は直線に垂直です。
計算例. (2,1) の x 軸への射影は (2,0)、残差は (0,1) です。
注意点. 射影が最小化するのは二乗誤差で、すべての損失関数ではありません。
残差が0になるのはいつですか?
ベクトルが選んだ直線上にあるときです。
5. 特異値と階数
入力を回転し、直交する2方向に伸縮させ、出力を回転します。単位円の像は楕円です。小さい方の伸縮を除くと階数1の近似になります。
計算例. diag(2,0.5) の最良の階数1近似は diag(2,0) で、作用素ノルムの誤差は0.5です。
注意点. 特異値は非負ですが、一般には A の固有値とは異なります。
第2特異値が0だとどうなりますか?
楕円は線分に潰れ、階数は1になります。