ISEGORIA / 数学百科事典
群論:対称性を代数にする
対称変換の合成・群の表・軌道の数え上げを学びます。
前提知識: 関数と合成
予想してから操作し、計算例と問いで理解を確かめてください。グラフは数式の図示であり、証明ではありません。
1. 順序が重要
正多角形の頂点に番号を付けて小さな旗を取り付け、同じ2つの対称、すなわち縦の鏡での反転と反時計回りの k ステップ回転を2通りの順序で施します。輪郭は変わりませんが、ラベルと旗を見ればどの対称になったかが分かります。再生を押すと2つの合成が動く様子を見られます。
計算例. 正方形で k = 1 のとき、反転してから回転すると rs、回転してから反転すると r³s になり、ラベルの位置が異なります。
注意点. 輪郭が同じでも各頂点が固定されているとは限りません。
表示した2つの合成が一致するのはいつですか?
2kがnで割り切れるときです。回転なし、またはnが偶数なら半回転が該当します。
2. 積の表
行 a・列 b のセルは積 a·b を表します。回転群 Cₙ では n を法とするステップの足し算です。二面体群 Dₙ 全体に切り替えると反転が加わり、回転と反転が交換しないため表は対角線について対称でなくなります。セルをクリックして a と b を選び、行 a で単位元が現れる列から a の逆元を見つけてください。
計算例. C₅ では 3+4 ≡ 2 (mod 5) で、3 の逆元は 2 です。D₄ では r·s = rs ですが s·r = r³s です。
注意点. 回転部分群は可換ですが、二面体群全体は一般に可換ではありません。
各行にすべての元が1回ずつ現れるのはなぜですか?
固定した元を加える操作は全単射で、引き算が逆操作だからです。
3. 軌道・固定部分群・剰余類
対称の部分群が頂点に作用します。k ステップの回転から、必要なら反転 s も加えて群を生成し、頂点 x をクリックします。x の軌道が強調され、右側では群の元が x の行き先ごとに分類されます。各列は固定部分群 Gₓ の剰余類なので、軌道上のどの点にもちょうど |Gₓ| 個の元が対応します。
計算例. n=6、k=2 の軌道は {0,2,4} と {1,3,5} です。
注意点. 回転部分群では固定部分群はいつも自明ですが、反転を含めると鏡の線上の頂点は s で固定され、軌道の大きさが異なり得ます。
回転部分群 ⟨rᵏ⟩ の軌道はいくつありますか?
gcd(n, k) 個です。各軌道は部分群の位数と同じ n/gcd(n, k) 個の頂点からなります。